ニュージャージー州では、連邦の助成を受けて食事を提供しているすべての学校においてスナック菓子と清涼飲料水を禁止するという法律が成立しました(2007年9月施行)。この他、2005年に入ってから17の州で同様な決議を採択しており、また、カリフォルニア州もジャンクフードと清涼飲料水を学校から追放する方針であるとのことです。こうした動きの背景には、過去20年間でアメリカ人の肥満が急激に増加し(肥満人口:70年代後半15%、80年代後半23%、現在31%)、アメリカ全体で社会問題になっているということがあります。ある教授によると、肥満が増えた理由は、80年代以降、アメリカ人のカロリー消費量があまり変わっていないのに、カロリー摂取量が著しく増加したからであり、また、カロリー摂取量が増えた理由は、カロリーの多い食べ物を摂取するようになったからではなく、食べ物摂取量の増加によるとのことです。また、摂取量の増加には、大量生産加工食品の消費の増大などが影響しているとのことです。
こんなアメリカでも、90年代半ばまでは、殆どの学校でスナック菓子や清涼飲料水を買うことはできなかったようです。しかし、今では、小学校の43%、中学校の89%、高校の98%で、スナック菓子や清涼飲料水が買えるようになってしまったとのことです。そして、20年前、10代の男の子は、牛乳を清涼飲料水の2倍の量飲んでいたが、現在では、清涼飲料水を牛乳の2倍の量飲むようになったと言われております。
学校においてジャンクフードや清涼飲料水を禁止する動きは、少しでも清涼飲料水やジャンクフードの摂取量を減らすことで、子供たちの肥満を減らそうというねらいからであります。
しかし、こうした動きに対して、子どもに選択肢を与えるべきであるとか、子どもの健康や食事に責任を持つのは、第一義的には親であるとの声があるのも事実で、実際、コネチカット州では、すべての小売学校でスナック菓子や清涼飲料水の販売を禁止するという法案が州議会で可決されましたが、州知事が拒否権を行使しています。
ニューヨークに住み、息子を現地のナサリースクール(日本の保育園のようなところ)に入れ、最も驚いたことは、食に関する問題です。息子が行っていたナサリースクールでは、学校が有料で朝食と昼食を提供しているのですが、朝食は毎日シリアル(コーンフレーク)、昼食は、ピザやパスタ、サンドイッチ(ハムとチーズだけで殆ど野菜はなし)などなのです。朝食は、予め紙コップにシリアルが入っており、子ども達が来ると牛乳を入れてくれるのですが、一列に並び紙コップに入ったシリアルを食べる姿は、まるで鶏が餌を食べているようでした。とてもこんな朝食や昼食を息子には食べさせたくないと思い、朝は家で食べてから送っていき、お昼はお弁当を持たせました。クラスの中に昼食を家から持って来ている子もいたのですが、食パンにピーナッツクリームを塗ったものや食パンにハムとチーズだけが挟んであるものなど、栄養バランスが取れているものは全く見当たりませんでした。前述のジャンクフードや清涼飲料水を規制する動きは、カロリー消費を抑える視点が中心となっていますが、その前に、成長期にある子ども達の栄養バランスを考える必要があるのではないかと強く思いました。
私が子どもの頃は、学校で栄養バランスのとれた給食を食べ、学校が親に対しても栄養バランスの取れた食事の大切さを伝えていたように記憶しております。日本においてもファーストフードやジャンクフードが蔓延する中、もう一度「食」の大切さを学校と親が共に認識し、日本の良き食文化の伝統を守っていく必要があるのではと、ニューヨークでの経験を通じ感じました。
文/瀧本陽一氏








子どもの通う保育園は食育にも力を入れてくださっており、4歳と6歳の子どもたちは好き嫌いがありません。
(母の方が好き嫌いがあって恐縮してます…)
身体は食べた物でできていて、食べる事は一生続くことだから、疎かにしない習慣をつけることは本当に大切だと思います。