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2010年03月20日

離乳食

離乳食我が家の娘たちにはもう遠い昔のことですが、最近こちらのママ友達が相次いで妊婦さんになったことから話題になった「離乳食」。

うちの娘たちはイタリアで生まれているので離乳食はイタリア式で育ちました。
小児科ホームドクターの指示に従ってまずは最初の一口は野菜スープ。
有機野菜のズッキーニ、ニンジン、じゃがいものを煮て具を取り除き、汁だけをとってそこへ少量のオリーブオイルとパルメザンレジャーノ。
最初からオイルとチーズかい?!と思いましたが、まっそこはイタリアーナということで郷にいればで・・・
このスープではじまった彼女達の「食」。
その後は少しずつペーストにしたり、小さなスープ用パスタや野菜や鶏肉を加えたりと段階を経て通常の食事に変わっていくわけですが、もちろんスーパーにいけば山ほどの離乳食が売っていて、離乳食も軌道に乗った頃には大変お世話になりました。
売っているものは、ビスケット類等のお菓子からクリーム、ペーストなど。
ペーストは野菜やフルーツ、肉・魚類がベース。
うちがよく食べさせたのはウサギだったかな。
他にもターキーやウマなんてのもあるんですよ!

さて、ここギリシャでは、離乳食が始まるころ、まず母乳もしくは粉ミルクから、羊のミルクに切り替えるそうで(理由はよく知りませんが)、そしてその後はクレマ(フルーツ等の入った市販の粉末をお湯に溶かしてクリーム状にしたもの)をメインに食べさせます。
これがまた聞いているとしばらくはそればかり食べさせているとか。
それで良しというのなら作るほうのママにはかなり楽チン。
でも「うーん、飽きないのか?それにそんなんでOK???」

まだ我が子が離乳食対象年齢だった頃、こちらに住んでいる日本人知人に「だしの味は3歳までに教えないとその後は受け付けないらしい」なんて聞いたものだから、その後私も日本の離乳食の本を開いて日本のやり方を取り入れましたが。
そうなんですよね。
もうそこから食文化が子どもたちの伝わっているんですものね。
それに日本の離乳食のやり方はほんと丁寧で、子どもたちの「舌」が育つはずです。

一辺倒な味や甘いだけの味だけではなくて、和食はもちろん甘くなくても美味しい日本のケーキや和菓子も、娘たちが「美味しい」とわかってくれる日はくるのかしら?


posted by ぴっぴ at 08:00| Comment(0) | イタリア

2006年08月11日

イタリアの海水浴場での子ども向けサービス

beach.jpg静岡文化芸術大学で教えている森俊太です。6月から7月頃にかけて、いろいろ忙しく、この原稿を書くのが遅れてしまいました。7月から父親の子育てについての調査プロジェクトにも関わっています。8月は、学会や調査のために、イタリアやカナダ、アメリカに滞在しており、この原稿もイタリアで書いています。そのイタリアですが、日本人の海外旅行先として非常に人気があり、何回も繰り返してイタリアを訪れるリピーターが多いです。歴史的な建造物と芸術作品、海あり山ありの豊かな自然、美味しい食事と総じてオープンで親切な人々など、日本人の旅行先としてはとても好ましい国です。このように観光国として魅力的なイタリアでも、日本と同じように少子高齢化が大きな問題になっています。合計特殊出生率および高齢化率も日本に比べても同じかまたはより深刻な数字になっています。

以前もこのコラムで書きましたが、イタリアの少子化の理由は、日本と共通する部分が多く、教育費が高いことや、学校への送り迎えや3ヶ月に渡る長い夏休み中の時間のやり繰り、治安の悪化による子育て環境の悪化などが原因としてあるようです。滞在して分かることは、レストランなどでも子どものための椅子があるわけでもなく、公園や地区センターなど子どものための整備もあまり進んでいるとは言えません。ただし、イタリア人には子どもを大切にする価値観は十分あります。また、父親が子どもと過ごす時間は日本よりは長いですし、通勤時間も日本の首都圏の様に長くはありません。(ちなみに、日本の首都圏の長く肉体的に過酷な通勤を多くの人々が我慢していることは、社会現象として非常に異常であると思います。この通勤状態に日本社会全体の様々な問題の凝縮されており、いつか詳しく考えてみたいと思います。)一言で言うと、イタリアの人々には、子どもを大切にする気持ち・価値観はあるのですが、社会全体がその家族、特に母親に頼りすぎていて、子育てに関する制度が十分でないと思います。

以上のように、一般的にイタリアは子育て環境、特に施設・設備については、特に日本よりも良いとは言えないと書きましたが、もちろん幾つかの例外がありその一つが海水浴場です。全ての海水浴場がそうではないかもしれませんが、今回は私が良く知っているリミニというアドリア海沿いの、遠浅の海岸やディスコで有名な町の海水浴場について紹介します。リミニはボローニャやラベンナの南に位置していて、イタリアを足と見なすと、ふくらはぎの付け根あたりに位置します。映画監督で著名なフェデリコ・フェリーニの出身地であり、北欧、ドイツやロシアなどからも観光客が大勢来ます。遠浅な海なので子どもにも安全であり、家族連れの観光客が特に多く、海岸沿いに立ち並ぶホテルに泊まってバカンスを過ごします。

この海水浴場は子供連れには非常に快適に出来ています。まず海岸が200メートルごとほどに区分けされ、「ビーチ#8 ルチアーノ」などと番号と管理者の名前により区別できるようになっています。それぞれが異なる海水浴場管理者(家族とアルバイトのような数人規模)により運営されています。数十の個別の着替えロッカーやトイレ、シャワー、レストラン・売店、駐車場、そして奥行きのある広い砂浜に色とりどりのパラソルと椅子が並んでいます。パラソルは月や週単位、または時間単位でレンタルできます。掃除は客がいない早朝と夕方にふるいを使って念入りに行われるので、常にきれいになっています。また、広大な砂浜には、それぞれのビーチごとに沢山の遊具が配置された公園やビーチバレーコートなどもあり、子供が海水浴に行ったり、公園で遊んだりできるようになっています。公園の地面は細かく白い砂浜であり、転んだりしても安全です。ビーチによっては、有料や無料のベビーシッターが待機しています。海岸や海にはプロの救助員が等間隔に待機しており、安全の配慮も十分にあります。利用者は、観光客だけでなく、地元の住民も多くいます。各々のビーチ管理者は、観光客や地元の海水浴客を自分のビーチに呼び込むために、サービスを良くして競争しており、そのサービスの目玉の一つが上記のような子供向けのサービスです。

リミニは、ローマ、ミラノ、フィレンツェなどの観光ルートからは外れており、日本人観光客はほとんど来ませんが、上記のように海水浴場の家族連れに対するサービスを考えるととても興味深い観光地です。家族観光客の誘致という地域ぐるみの経済的な目的とビーチ管理者間の競争原理が上手く結びついて、結果的に子どもにはとても安全で快適な場所になっています。このような子供向けサービスの充実度による競争が、ビーチだけでなく職場や社会全体に広がるようになることを期待します。
posted by ぴっぴ at 14:54| Comment(0) | イタリア

2005年05月13日

ヨーロッパの子育て〜サンマリノ〜

はじめまして。森俊太(もり しゅんた)です。1957年(昭和32年)生まれです。社会学が専門で、比較社会、社会問題、家族などが研究分野です。2000年から、静岡文化芸術大学の文化政策学科に赴任し、現在「現代社会と人権」「社会理論」「社会調査法」「地域社会論(社会変動)」などを教えています。浜松地域では、市の男女共同参画審議会の会長をしています。2004年は、静岡県下の勤労者の子育ての現状や意識、特に育児休業に焦点を当てたアンケート調査に関わりました。数年前には、高齢者の生きがいの国際比較調査もしました。自宅は横浜市なので、週の2−3回くらいは、静岡市清水の母と兄の家に泊まり、浜松に通っています。現在、家族は配偶者、12歳(中1)の娘と5歳(幼稚園年長)の息子です。妻はサンマリノという、イタリアのボローニャの南にある小国の国籍ですが、言語、生活習慣などは、近辺のイタリアの地域(エミリア・ロマーニャ州)とほぼ同じです。


 


イタリアの子育て浜松子育てネットワーク“ぴっぴ”から、イタリアの子育てについて書いてほしいとの依頼を受けました。引き受けてからよく考えると、イタリアの子育て一般については、あまりよく知らないことに気づき困ってしまいました。ちゃんと調べたこともまだないし、今回そうする時間の余裕もありせん。ただ、私はイタリアにはもう20回近く行っていて、毎回2−4週間は滞在します。観光はほとんどせず、研究・調査をしている以外は、妻の家族、その親類、友人などと過ごします。家族ぐるみの付き合いをしているイタリア人も多いです。(といっても私のイタリア語レベルは単語を並べる程度で、詳しい話はできません。)また、今まで、イスラエル・パレスチナ地域に1年弱、アメリカに約10年住んでいました。そのような体験、見聞に基づいた意見ならなんとか書けそうなので、話題提供くらいの軽い気持ちで書かせてもらいます。したがって、合計特殊出生率などのデータは省きます。議論のために必要であれば、今後載せるようにしますが、できるだけ気軽に書きたいので必要最小限にしたいと思います。今回は、イタリアの少子化をテーマに書きます。ただ、初めにお断りしておきますが、イタリアは、地域、特に北部と南部で、経済的、文化的にかなり異なります。単純に言うと、経済的には北部が南部より豊かで、家族意識については、南部のほうが保守的です。したがって、多くの国でも同じですが、イタリア文化とか、イタリア人などと、単純化して思い込むことには、誤解と偏見の危険性がありますので、注意してください。


 


日本は、少子高齢化が重大な社会問題といわれていますが、イタリアの少子化は、日本よりも深刻です。「カトリックの国なので、産児制限をしないだろうから、子どもが多いだろう」というのは時代錯誤の認識です。産児制限はしていますし、一人っ子が多く、子どもの肥満率もヨーロッパ諸国で一番です。少子化の理由は、一言で言うと、子育て環境が悪いからです。他国と比較して、若い世代は変わってきていますが、一般的に父親が育児をあまりしないと思いますし、保育園など子育て支援策が不十分です。また、犯罪率が多く、学校や習い事には保護者が送り迎えをするのが、都市部では普通です。日本のように、日没後子どもだけで歩いているのは、イタリア人にとって驚きです。子ども用の公園も少ないです。つまり、子どもを育てるコストが高いというか手間がかかるので、子どもを生まないのです。また、北欧やフランスなどと比べて、結婚していない親の子どもは、少ないようです。若年層の失業率が高く、親と同居しているいわゆるパラサイトシングルも多いです。したがって、独身者も多く、結婚年齢も遅いです。要するに、家族、地域、教会、社会全体という仕組みのなかで、子育てに不利な条件が多いのです。今まで、子育ては個々の家族、その中の女性個人の役割としてきた「つけ」がイタリアの少子化でしょう。個人的な意見として、少子化は必ずしも悪いとは思いませんが、子どもを育てることがやりにくい社会は、いくらそのほかの文化や社会が優れていても、おかしいと思います。長い目で見て、自滅するのではないでしょうか。


 


今回、この文を書いていて、日本とイタリアの子育てを比べると、非常に面白いと感じました。そして、自分の子育てと仕事に追われていて、身近なこのテーマについてあまり客観的に考えていないことに気がつきました。週半分は単身赴任のような感じなので、週末含めて家にいるときは、家事・親業の責任の半分以上は私です。妻は翻訳・通訳、イタリア語の授業、交流事業など本当にいろいろ忙しいので、家事・親業はお互いに、日々の予定をにらみながら、やりくりしています。定期的に、ベビーシッターや掃除の手伝いも利用していますが、それでも、時間的・精神的に、子育てに(特に5歳の男児のことで)精一杯ですし、親業で反省すること多いです。そんな体験から、テーマとしての子育てや家族の比較については、あまりに身近すぎて冷静に考えにくかったのかもしれません。


 


ちなみに、今年のこどもの日は、息子と清水の実家の近くの公園をはしごしました。最後は、夕方に、県立美術館の公園で鬼ごっこをして走り回り、喫茶店でアイスクリームを食べました。地域の小さな公園はほとんどがら空きでした。子どもも私も、安心して、のんびりして、安らかな時間をすごしました。「至福のとき」とはいったいどんな時なのかと時々考えますが、こんな日なのでしょうか。(近くに県警のヘリコプターが落ちたのが残念でしたが・・・)静岡のほうが横浜よりも、半分から三分の一くらい人が少なくて、のんびりしていて、子育てにはいいと感じました。以上、自己紹介も兼ねて、イタリアの少子化・子育てについて書きました。今後ともよろしく。

posted by ぴっぴ at 13:23| Comment(0) | イタリア

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